2008年3月3日月曜日

蒋さんと言う人



昨日は友人の蒋さん宅で晩ご飯をご馳走になった。
1990年2月から5月に掛けてタクラマカン砂漠のチャリクリクからカシュガルまで1500kmを駱駝で横断した。日中合同の探査隊に参加したのだ、70過ぎの女性から18歳の学生まで約80名の日本隊と40名の中国サポート隊の総勢120余名の大所帯である。一人一頭の駱駝を入手し一日30kmの行程を7〜8時間かけてのキャラバンだった。約2ヶ月掛けた旅の行程についてはまたの機会に取っておく、あまりに多くの事があったから簡単には書ききれない。

話を戻すと友人の蔣さんはその時の通訳である。優秀な人で日本からの要人が訪中したときなどに通訳をする、北京広報電台(俗に言う北京ラジオ放送である)にいた人だ。
彼も沙漠の旅で大きく人生が変わった、日本隊の女性と恋の落ち、来日して結婚したのだ。紆余曲折あっただろうと思う。しかし、現在、奥さんと一男一女の父として、学校で中国語を教える傍ら、NHKラジオの中国語講座の先生も務めている。

今の中国はこれまでに無い急速な発展の中で、多くの成功者はにわか成金として、湯水の如く、公私の区別なくお金をばらまいている。中国では公費を私用で使う事など当たり前・・・みんなやっているから他人のそれを見ても何とも思わない。自分がその立場になれば同じようにする事だから・・・と。

そんな中、蒋さんほど有能な人材をほっておくはずが無い、当然のように彼の友人知人は儲かる仕事に誘ってくる。妻子のある身で収入が圧倒的に増える誘いは魅力的だ。しかし、彼はこれらの甘い誘惑を受ける事を潔しとしない・・・中国風に言えば「男子漢」なのだ、日本語で言えば武士の魂を持った男とでも訳すかな。武士は喰わねど高楊枝・・・と言うよりも、誇り高いのだ。

昨日は彼の手作り家庭料理、鶏手羽と干しマツタケの煮物、豚肉と野菜の炒め物、ジャガイモのピリ辛炒め、海老の炒め物ニンニク風味。どれも中国家庭の味がする。ビールのあとはマオタイ酒を飲みながらしゃべり通した、気がつくと0時過ぎ、慌ててタクシーで帰宅。
今ではどこへ行っても中国人に出会う。お店で働く中国人、秋葉原や銀座を闊歩するお金持ち中国人、芸術の世界でも、教育の世界でも・・・拝金主義の商売人と言う印象の中国人とは違う豊かな才能を持ち、友情や信義を大切にする誇り高い中国人がいることも知って欲しい。

写真は彼の長男と一男一女の足だ。

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