2008年7月21日月曜日

那智勝浦の続き・・那智の大滝、松坂牛弁当






仕事で訪れた那智勝浦・・漁業の町だが、素晴らしい自然に囲まれた美しいところなのだ。

これまでにないマグロの凍結方法を開発した脇口水産の視察なのだ、まぐろの細胞を壊さない凍結法で、家庭で普通に流水解凍するだけで、生マグロの味わい、食感が得られるのだ。実際に目の前で解凍してもらったが、ドリップが全くでない。生マグロのねっとりとした食感と香りを感じた。脇口社長はこの技術を広めて、近海マグロの勝浦ブランドを確立したいのだと言う。頑張って欲しいものだ。

さて、仕事は仕事として、せっかく6時間半もかかけて、こんな素晴らしいところに来たのに、このまま帰ったのでは悔やむに悔やまれない、とは言え、足となる車は無いし・・と思っていたのだが、脇口社長が那智の滝へ連れて行ってくれる事になった。

脇口さんの空き時間ができるまで、営業の垣下さんに隣町の太地町まで連れて行ってもらった。ここは鯨の町として有名なところで、20数年前、作家のC・W・ニコル氏が「勇魚」を書くために1年間住み着いた町だ。そこにある7年来のお付き合いがある「くじらの一番仲買、〆谷商店」の〆谷社長の顔を見に行った。

お店はお休みだったが、最近の太地事情など聞かせてもらった、最近ではグリーンピースだのしーウルフだのが捕鯨には大反対しているが、太地ではいまでも鯨漁が行われている、少数民族の伝統的な漁法として認められているのだ、とは言っても、16艘の舟に限られ、年間の捕獲量は決められているそうだ。今は休漁期で、9月から再開されると言う、主に追込み漁である、沖から鯨の群れを入り江に追い込むのだ、網で囲い込み、セリに出す前に絞められると言う・・・絞めると言っても、鯛を絞めるのとは訳が違う、入り江は真っ赤に染まると言う、今は常駐している捕鯨反対団体の人や観光客に見られないように早朝に行うらしい・・・この辺、くじら好き(見るのも、食べるのも)の僕は複雑な気持ちになる。

獲られる鯨はハナゴンドウくじらが多いと言う、小さな鯨で少々癖があるが、地元の人はミンククジラなどよりくじらっぽくて美味しいと言う。それにしても小学生の頃、給食にくじらの立田揚げがでると嬉しくて、美味しくて・・・しかし、いまでは高級食材になってしまった。飲み屋で鯨ベーコンなど、頼むとびっくりするような値段を取られる。

そうそう、話しはそれるが初めてくじら(尾の身)の刺身を食べたのは30数年前にさかのぼる、アルバイトしていた代々木上原の小料理屋の仕入れで築地へ通っていた。お店に出すために鯨も買ったが、当時ですら上等の鯨の尾の身は本マグロと変わらない値段だった事を覚えている。お店で食べさせてもらった尾の身の刺身・・それはそれは美味しかった、ルイベ状態で生姜醤油で食べるのだが、舌の上でとろけるのだ、上品な脂肪の旨さと、マグロとは違う、ほ乳類の香り、くじらってこんな美味しいんだと感動した。そのころはナガスクジラのものだったと思うが、今ではほとんどがミンククジラの身だ、一昨年か調査捕鯨のナガスクジラやホッキョククジラの身が出回ったっことがあったが、やはり、ミンククジラとは比べ物にならない旨さなのだ、もっと安く食べられるようになれば良いのに・・・

美味しいものの話しになると理性も何も無くなってしまう、長くなってしまった。

本題に戻す。太地町に寄った後、東京へ帰る最終電車まで3時間ある。脇口社長に那智の滝へ連れて行ってもらった、なんと美しい滝なのだ、それにまわりの緑が深くて匂うようだ。

熊野那智大社、那智山青岸渡寺が隣同士で共在している。熊野信仰の中心地なのだ。

くじらでエネルギーを使い過ぎて、滝の話し、熊野信仰の話し、熊野古道の話しはまたにします。

電車に乗るまであと1時間ある・・・実は脇口社長は僕をお気に入りの「ぬる湯」へ連れて行こうと、1時間余裕を見ていたらしい、たぶん体温と同じぐらいの36、7度だと思う、ぬるいと感じるが、ゆっくり浸かっていると、身体の芯からほぐされる感じで、心身ともにリラックスする。社長とお湯に浸かっていると、岡本部長も駆けつけてきた、仕事中だが、ぬる湯に浸かって考え事をすると不思議と良いアイデアが出ると言う、う〜ん。まあそう言う事にしておこう。

と言う訳で、密度の濃い1泊2日の出張を終え、帰路についた。

しかし、まだまだ、終わらない、南紀勝浦から名古屋までの3時間半の途中駅に松坂があるのだ、松坂と言えば松坂牛・・これを喰わねば、食いしん坊として恥ずかしい。しかし、下車する時間がない、てな訳で、松坂牛弁当を食べる事に、この駅弁は完全予約制なのだ、電車に乗って車内販売の売り子さんに予約を入れると、松坂駅に着いたところで、作り立てを持ち込んでくれるのだ、1260円・・ちょっと高いが、そこは腐っても、いや、腐っていない松坂牛・・缶ビールを2本買い込み、子供の頃の遠足のお弁当を開ける時の期待と興奮そのまま再現したような、至福のときを得られるのだ。

さてさて、実際の評価としてはまあまあ、というか、ちょっと塩っぱかった、ご飯のおかず用に濃い味にしてあるのだ、ほんのちょっとかじっただけでビール1缶飲めそうなのだ。しかし、松坂牛故の興奮と満足感はあった思う。

とまあ、こんな訳で名古屋からのぞみに乗り、夢の世界へ。。。

2008年7月19日土曜日

那智勝浦の生まぐろ























仕事で那智勝浦に行って来た。紀伊半島の南東端にある温泉と漁業の町である。

延縄漁法による生マグロの水揚げ日本一の町である・・・他にも世界遺産の熊野古道、高さ日本一の那智の大滝、多くの温泉や風光明媚な海岸線・・まだまだある、最近ではホエールウォッチングも、隣町は鯨で有名な太地町。

今回は農水省の補助事業で新しいビジネスモデルを推進しているマグロ業者の視察に行った。

しかし、那智勝浦は遠かった、東京から新幹線のぞみで名古屋まで1時間45分、名古屋から特急に乗り紀伊勝浦まで4時間半・・約6時間の行程です、お陰で本が2冊読めた。羽田から南紀白浜へ飛行機で飛んで、あとはレンタカーと言う行き方もあるが、この時期1日2本しかなく、時間が合わなかったことと、委託先の財団法人の予算の問題か???ま、久々にゆっくり電車の旅ができたので、それはそれで良かったのだ。

さて、当日は夕方現地入り、まずはホテルに、一緒に行った財団の担当者が取ってくれたのは、ホテル浦島?どこかで聞いた事がある、それに旅費は限られているから、いつもはビジネスホテルなのに、大丈夫なのかと心配になる、それとなく聞いてみると、ビジネスホテルと変わらない料金だって・・・ほっとした。

さて、ホテルについてびっくり、なんと島全体がホテルなのだ、渡し船で島へ渡り、フロントで手続きを済ませ、部屋に案内されるが、なんと超長〜〜いエスカレーターで島の頂上にある棟へ、地上33階だと・・・さて、荷物を置いてまずはマグロを食べに。

町の小さなお店に案内され、マグロの町でしかお目にかかれないような、内蔵ものや卵などなど食べました。いつものように酔っぱらって写真を撮るのを忘れてしまいました。

そのかわり、翌日早朝に市場に行き、マグロ漁船から揚ったばかり、セリ前のマグロを撮ってきた、また、新鮮なマグロの見分け方も伝授された。ここでこっそり教えちゃいましょう・・・でも、まぐろ1本買う事なんてないから、余り役に立たないかも。

さて、近海マグロ漁は出漁してだいたい1ヶ月の行程なんだそうだ、だから、はじめに獲れたまぐろと帰る間際に捕れたマグロでは1ヶ月の時間差が・・・だから鮮度の違いがあるのです。遠洋マグロ漁は船内で急速冷凍するから変わらないけど、近海の舟では、チルド保存だから。

人もマグロも目は口ほどにものを言う・・らしい。。。写真のマグロを見て下さい。目が青っぽく透き通っているのは新鮮なやつ、それに引き換え、誰かさんのように、濁った目をしたのは・・一目瞭然です。

それから、それから、朝青龍のだめ押しは、えらなの、えらが赤いのが新鮮で、日が経つと白っぽくなってくる、これで一発で解ります。ちなみにこの写真のマグロはメバチマグロです。本マグロは冬から春に掛けて揚るのだ。次回はこの時期に行きたい。

さて、さて、翌日は那智の滝へ行ったり、隣の太地町に7年来のお付き合いをしている鯨の仲買さん(〆谷さん)訪ねました・・これはまた明日書こうかな。

と言う事で、那智勝浦は本当に風向明媚なところで、海岸線を車で走っていると、兎に角奇麗でした。伊豆と似ているけど、もっと自然が残っていて、人も素朴で明るいし、温泉も良いし、また行ってみたい。